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こばけんさんのシベリウス、ブルックナー7番

2018/1/27(土) 14:00 サントリーホール

日フィル 第697回 東京定期演奏会

 

シベリウス    ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47

ブルックナー   交響曲第7番 ホ長調 WAB107

 

指揮    : 小林 研一郎

ヴァイオリン: アレクサンドラ・スム

ゲスト・コンサートマスター:徳永 二男

 

シベリウスもブルックナーも、どちらも楽しめる演奏会だった。

特にシベリウスは、最初から惹きつけられた。

 

ヴァイオリンのアレクサンドル・スムさん、美しくかつ迫力のある音で、表現力の幅が大きいように感じる。「やっぱりいい曲だななぁ」と思わせてくれる演奏だった。

 

1楽章最初の微音から北欧の寒さと厳しさが思い浮かび、どんどんと演奏に引き込まれた。3楽章ではクラリネットやオーボエの旋律にオーケストラをさりげなく振り返り、オーケストラとの共演を印象づける素振りが演奏の一体感を増すように感じる。(指揮者の立場は?という疑問は感じつつも)オーケストラの演奏者も緊張感が増していい演奏につながるのではないか。

 

水戸室内管弦楽団でのフィリップ・トーンドゥルさんのモーツァルトのオーボエ協奏曲を思い出した。指揮者なしで踊るようなオーボエとオーケストラが息を合わせる姿、そして甘く切ないオーボエの音に魅せられた演奏だった。あれ以来、指揮者を見るソリストはいたがオーケストラを見て演奏するソリストは見たことがない。

 

驚きはオーケストラ。

 

こばけんさんの指揮なので、悪く言えば大げさでしゃばった感じの演奏になるのかな、って思っていたらなんのなんの。ぐっと抑えた紳士的な演奏だった。弦の音も渋めでソリストが引き立つよう。ラザレフさんの指揮を思い出させる。コンサートマスターが徳永さんだったからだろうか。プレトークで萩谷さんがおっしゃったように、コンサートマスターでそれほどオーケストラ全体の音色に影響するのだろうか。日フィルの新しい音を聴いた気がした。

 

ブルックナーは期待以上。

 

テンポのおおげさな溜めだったり、こばけん節を感じるところがあったけれど、全体としては旋律を謳わせるわかりやすくて引き込まれる演奏だった。日本人だからなのか、前半のシベリウスで感情がゆすぶられたせいなのか、今日はこばけん節のブルックナーのほうがインキネンさんのさらりとクールなブルックナーより共感した。時々こばけんさんには驚かされる。

 

2楽章の弦がやや雑然としていて残念だったけど、特に3楽章の管と弦の一体感はスゴイと感じた。音の美しさではやっぱりインキネンさんや山田さんの演奏が好きだけど、今日のこばけん節ブルックナーはこばけんさんらしいなぁ、という点でも楽しめた演奏だった。

 

でもやっぱり今日はスムさんのヴァイオリンだ。

また聴きたい。

歳を重ねてもっと魅力ある演奏になるのでしょうね。

 

お尻痛くなったけど、いい演奏会でした。

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