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ラザレフさんの《悲愴》、ショスタコーヴィチ

2017/10/21(土) 18:00 横浜みなとみらいホール
日フィル 第331回 横浜定期演奏会

ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
チャイコフスキー  交響曲第6番 変ロ短調 op.74 《悲愴》

指揮    : アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン: ボリス・ベルキン

ラザレフさんとベルキンさんが
「友情と敬愛のハーモニー」っていうなら、
私だって、
今日は6人の仲間で
「ワインと演奏会のハーモニー」だったんだ。
(なにそれ?)

以前、山田和樹さんがパリ管弦楽団と演奏した《悲愴》を
NHKのBS放送で何度か聴いた。
あー、日本人でよかった、と思える切なさが
テレビの画面を超えてひしひしと伝わってくる。

一方で今日のラザレフさんの《悲愴》、
え?こんなに熱くて、さっぱりしてていいの?
って思えた演奏だった。
ある意味、ラザレフさんらしいか。

第1楽章は自分の想像よりもはるかに速かった。
そのため第2主題もあっさりしていて少し物足りない。

ラザレフ節で劇的に盛り上がった第3楽章、
それに続く第4楽章では、
苦悩に打ちひしがれる「悲愴感」よりはむしろ、
若い青年のほとばしる熱情、
という印象を受ける。

指揮台から転げ落ちてしまいそうな指揮っぷりは、
他には例をみない。
しかも《悲愴》で。

第2主題では、
「どうだ、きれいだろう」と言わんばかりに
客席を振り返るラザレフさん。
確かに胸がキュンとなりましたよ。

ショスタコーヴィチ。

ベルキンさんのヴァイオリンは質実剛健。素敵な音だった。

大げさなジェスチャーもなく、
難しそうなフレーズをとつとつと紡ぎだしていく姿に
職人気質を感じる。

クールなジェスチャーで高度なテクニックを披露する、
そんなギャップが静かな驚きを生み出す。

協奏曲と交響曲をしっかり振り分ける、
そんなラザレフさんの演奏は好きなところだけど、
第4楽章のフィナーレ、
ヴァイオリンのソロとオーケストラの一糸乱れぬ一体感は、
毎度のことながら息がとまりそうだった。

ただ、個人的な趣味だけど、
たとえ粗削りでも若いソリストとの出会いのほうが
刺激的に感じてしまうのは、歳のせいかな。

今日一緒に聴いた若いおふたり、
クラッシックの演奏会は初めて、とのことだけど、
こんな熱いラザレフさんと日フィルの演奏から、
何か少しでも、心に引っかかるものがあったかな。

bud

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