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山田和樹さんのマーラーツィクルス、最後の9番

2017/6/25(日) 15:00 オーチャードホール
山田和樹 マーラーツィクルス

武満 徹  弦楽のためのレクイエム
マーラー  交響曲第9番 ニ長調

指揮 : 山田和樹
管弦楽: 日本フィルハーモニー管弦楽団



山田和樹さんのマーラーツィクルス、
3年かかりでマーラーの歩んだ人生をたどった。

マーラーの音楽が
少しだけわかったようなうれしさもあり、
とんでもないものに興味をもってしまったと、
途方にくれた気持ちもあり、
心の中は複雑だ。

bud

今日の演奏、

最初から、最後の最後まで、
山田さんもオーケストラも、
超本気モードのオーラがバシバシ飛んできて、
ツィクルス最後にふさわしい演奏だった。

わかったようなこと言っても、
やっぱりわからなかった第1楽章。

あちらこちらから音が溢れ出て
何が何やら、

この混沌とした世界が表現しているものを知りたい。
本当に知りたい。

マーラーの交響曲は、
生の演奏会に足を運ばないと何も見えてこない。

残り50年の人生かけて、じっくり聴く。

そう決めた。

第2楽章は山田さんの指揮っぷりが音楽の全てを語っているようで、
改めて山田さんの指揮のすごさを感じた。
パタパタと紙芝居をめくるように移り変わるウィーンの風景が目に浮かぶようだ。

第3楽章はこんなに面白い楽章だったかと思わず身をのりだし、
爆発的な最後にすでに大満足。

第4楽章、日フィルの音の美しさにホレボレしつつ、
マーラーサウンドにどっぷり浸った。

私の貧弱なボキャブラリーを恨みつつ、
本当にすごい演奏だったと、
ありきたりの言葉を繰り返すことしかできず、歯がゆい。

そうそう、ホルンさんチーム、素晴らしかった!
神がかり的。

演奏後、山田さんが最初に立たせたのもホルンさんだった。
拍手も一段と大きくて。
やっぱりそうだよね。

tulip

アルマとの恋愛や夫婦関係、
子供の死、
自分自身の死への恐怖感、

そういうマーラーの人生がそれぞれの曲にどのように影響したのか、
シニカルな表現はどんな気持ちから出てくるものなのか、
素人には想像の域を出ないけど、
今回チクルスを聴いてみて確信したことがある。

それは、5番のアダージェットや9番の最終楽章のような美しい音楽は、
パロディーでもシニカルな気持ちでもなく、
マーラーの心の底からの「美」への追求なんだ、ということ。

評論家が何と言おうと、私はそう信じる。

100年以上経た今にも伝わるマーラーの音楽のポテンシャル、
そしてそれを再現した山田さんと日フィルに拍手を贈ります。
オーケストラ全員がお辞儀をしても鳴りやまない拍手。
なかなか見られないですな。

pen

余談だけど、
マーラーを聴いたことがなかった私の母が、
知人に誘われるまま先日の7番を聴き、
感動のあまり、8番、9番、も聴くことにしたそうだ。

何の事前情報も知識もない80歳近いばあさんだけど、
マーラーの音楽に敏感に反応できる母を少し見直した。

耳聞こえてるの?と訊いたのは、
いくらなんでも失礼だったか。

night



20170625_

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