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パリ管のブリテン、ブラームス、そしてベルリオーズ

2016/11/24(木) 19:00~ 東京芸術劇場
パリ管弦楽団 演奏会

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ブリテン オペラ「ピーター・グライムズ」から
      4つの海の間奏曲
      (夜明け・日曜日の朝・月明り・嵐)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77

ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」
        ロメオひとり-キャピュレット家の大宴会
        愛の情景
        女王マブのスケルツォ
        キャピュレット家の墓地にたたずむロメオ

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指揮:                 ダニエル・ハーディング
ヴァイオリン:       ジョシュア・ベル

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久しぶりの海外オーケストラに、正直、ちょいとひるんでいた。大枚叩いてそれに見合う満足感得られるかなぁ、と。

でも、 パリ管は、期待通りの音を出してくれた。さすが。

期待通り、というのは、「フランス」の音が聴けるか?ということ。それはブラームスで明らかに感じることができた。丸太を口に突っ込まれるような重厚感はなく、しっとり艶やかな弦はドイツではなくフランスの香りがした。

CDは気がつけばウィーンフィルやベルリンフィルが多くいつの間にかドイツの音になじんでいたのだなぁ、と改めて感じる。

フランスの作曲家ベルリオーズの作品はどうなるかと楽しみにしていたが、華やかな音に満足だった。宴会のシーンだったのだろうか、突如音がふわっと明るくなる時、会場の空気も緩むような気がした。

テクニックについては、フランス人=自由=ばらばらな演奏、っていう勝手な思い込みがあった。出だしの音が見事に揃う。当たり前のように音は外さない。強弱緩急にもびくともせずぴったりそろった音。個々の演奏技術はもちろん、オーケストラとしてもものすごい力を持っているのだ。チームワークは日本のお家芸だと思っていたが、世界レベルは遥か上なのだな、悔しいけど。

先日久しぶりに高価なコーヒー豆を楽しんだのだが、際立つ酸味とほのかな甘みが両方はっきり感じられた。余計な雑味がない。今日のパリ管の音はこの「雑味のなさ」そのものだと思った。個々の楽器が際立つ音の透明感がダントツだ。思い起こせば、日フィルのラザレフさんやインキネンさんの指揮で同じ感覚を味わったことがある。

金管楽器のテクニックのレベルの高さ、弦楽器の統一感と艶やかさ、恐るべし、パリ管。

ジョシュア・ベルのヴァイオリンは若くて情熱的な演奏だった。

時には弓を弦に叩きつけるようなシーンもあったが、音の雑さはなく、繊細さも併せ持っていて素敵だった。

ブラームスはクララに対する内に秘めた愛のように抑圧的な音楽だと思っていたが、今日の演奏は何とも情熱的でブラームスの新たな一面を見せられた思い。

ブリテン、ブラームス、ベルリオーズという3曲からなる今日の演目はよかったと思う。

美味しいごはんの上に、ウニ、イクラ、ネギトロが乗っているよう。ハーディングさんとパリ管というごはんがイギリス、ドイツ、フランスのそれぞれの音楽の味をうまく引き出していたように感じた。ベルリンフィルのチケットが今年も取れずがっかりしていたが、パリ管の音を聴けてよかったのかもしれないな。

貧乏人なのでつい「元を取ったかな」とか、せこいこと考えてしまうが、「うわ、すげー」っていう感覚はやっぱり生で聴いてみないとワカラナイ。リアルの世界の体感にはカネがかかるのだ。くやしいけど。

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