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ラザレフさんのショスタコ-ヴァイオリン協奏曲とグラズノフ5番

2016/11/26(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第685回 東京定期演奏会

ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
グラズノフ 交響曲第5番 変ロ長調 op.55

指揮 : アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン : 郷古 廉


観客の反応って、けっこう敏感なんだなと改めて感じる。
ショスタコーヴィチの演奏が終わった後の拍手が鳴りやまず、ヴァイオリンの郷古さんは何度もステージに出てくることになった。確かにすごい演奏だった。

第1楽章からしっとりとした色気のある音を出していたので「あれ?」と思っていた。
曲が進むにつれて感じたのは色気にくわえて音に迫力があること、それにとても正確な演奏だなということ。ずるはしてません、という感じの。2日前に聴いたジョシュア・ベルさんのヴァイオリンとはまた違って、素晴らしい音だった。

第4楽章最後のフィナーレはオーケストラとの息がぴったり合って本当に見事だった。
毎度のことながら、ラザレフさんの協奏曲の指揮は独奏者を引き立たせるコントロールがすごい。全然邪魔にならないばかりか、今回はヴァイオリンとオーケストラの競演、という雰囲気まで創り出していたと思う。

郷古さんはまだ23歳、これから世界での活躍を期待しています。
ただちょっと心配になったのは、あまりにきっちりとまとまりすぎていること。素晴らしいテクニックであるにも関わらず、何か、尖ったものを感じにくいこと。ジョシュア・ベルさんは、ダンスを踊っているようにヴァイオリンを演奏し観ているわれわれまでノリノリになってしまうほど。それに比べて郷古さんの演奏する姿はほとんど直立。視覚的情報として少ないようにも思った。なんて、贅沢言っているかな。たまたま2日前に聴いたジョシュア・ベルさんとばかり比べるのもどうかと思うけど。
いやいや、これは期待の裏返し、次回の演奏を聴けるのが楽しみだ。

今日の帰りはグラズノフのおかげで、すっきりとした気持ちで家路についた。

第4楽章フィナーレの盛り上がりはすさまじい。ラザレフさんに見事にコントロールされているように感じた。

それにしても、音が厚い曲だ。この感覚、マーラーの交響曲にも近い印象を受けた。その分、指揮も演奏もさぞかし難しいのだろう。プレトークで山野さんがおっしゃっていた通り、演奏によってずいぶん雰囲気が変わるというのはわからないでもない。録音を聴いて予習していたが、この音の厚さはわからなかった。生演奏でないとわからない、というのもマーラーのようだ。

そういえば、山野さんのプレトーク、面白かったな。
グラズノフの素晴らしさがよくわかったし、ラザレフさんと日フィルがどれだけ熱を入れて練習したかもよくわかった。また話を聴かせてください。

pencil


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