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ラザレフさんのショスタコーヴィチ6番

2016/5/21(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第680回東京定期演奏会

チャイコフスキー  組曲第1番 ニ短調 作品43
ショスタコーヴィチ 交響曲第6番 ロ短調 作品54

指揮 : アレクサンドル・ラザレフ


ショスタコーヴィチの音楽を聴くといつも、あぁ戦争ね、と思う。標題音楽ではないのに、時代背景と結び付けてなんとなくわかったふりをしている。でも本当は純粋に音楽そのものがスゴイな、いい曲だな、と感じられたらな、って思っていた。今日の6番の演奏は時代背景抜きにあーいい曲だと感じた。

2楽章、3楽章はものすごい迫力と緊張感で、ラザレフさん+日フィルの切れ味抜群の演奏にすっかり魅せられてしまったけど、1楽章は地味なりの良さがあった。1楽章あってこその2楽章、3楽章だ。

微かにささやくような音の緊張感や繊細さは毎度素晴らしいと思うが、1楽章のハイライトはフルートソロからチェレスタ、ホルンに引き継がれていくところだろう。

嵐の前の不気味な真っ黒な雲の隙間から夕陽が一筋差し込んで、一瞬嵐が来ることを忘れる、そんなホルンの音に感激。そこに至る長い長いフルートのソロは悪意への不安をかき立てられつつも、どこかで穏やかさと優しさが感じられる。フルートさんのキャラかな、と思った。ラザレフさんはフルートさんを指揮台に上げて称えていたけれど、ホルンさんにも拍手拍手。

一方チャイコフスキーは、音楽の表現の仕方、魅力の出し方がショスタコーヴィチと少し違っていたように思う。ピンとしたラザレフさんの緊張感は同じだけど、チャイコフスキーはその中にも旋律の美しさを際立たせるような細かい音の強弱が巧みに仕込まれていたように思う。

録音で何度か聴いたが、残念ながらどうも好きになれない曲だった。今日の演奏は録音よりはずっと素敵だったが、睡魔に負けました。ラザレフさん、日フィルさん、ごめんなさい。「細かい音の強弱が」とか何とかそれっぽいこと書いておきながら、本当は半分寝てました。


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