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インキネンさんのイギリス

2016/4/23(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第679回東京定期演奏会

ブリテン   ヴァイオリン協奏曲 作品15
ホルスト   組曲《惑星》 作品32

指揮     :ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン:庄司 紗矢香
女性合唱  :東京音楽大学

やっぱりインキネンさん、いい。

アフタートークの、
「9月は俺の首席指揮者のデビューだ、みんな来てくれ」
「九州の募金、ヨロシクな」
みたいな指揮台に肘をついた俺様族的な態度が、ではなくて、音楽が、いい。

インキネンさんはテンポの取り方が柔軟で表現が豊かだな、と今日、改めて思った。過去の演奏でもマーラーや近代の曲でも感じたし、今日の《惑星》でも同じだ。微妙なテンポの揺らぎや調整が心地よい。

第4曲《木星》の中間部のゆっくり度合いも好みだった。CDでも早めだったり、だんだん早くなったり、納得いかないことが多いからうれしかった。一方で第5曲《土星》はインキネンさんがテンポを落とそうとしてるのにオーケストラが変化についていけてないところがあったように感じた。気のせいかな。

組曲だから、って思いつつも、第1曲《火星》から《木星》までの4曲で充分、って思う。有名なのに普段なかなか全曲通して聴く気になれない。頭の中でどうしても4楽章形式にしたいらしい。爆発的かつ攻撃的な《火星》、穏やかで緩徐楽章にあたる《金星》、ひょこひょこして面白くスケルツォ楽章にあたる《水星》、元気に盛り上がる終楽章《木星》。これで交響曲《惑星》だ。

あー頭が固くなってるなぁと反省。

とは言いながら、第5曲以降の《土星》、《天王星》、《海王星》、をどう聴いたものか、といつももやっと感があるのは事実。今日も、もやっと感が解消されたわけではないけど、残りの3曲も退屈させない演奏だった。

終曲の《海王星》ではどこから聞こえてくるのかわからない天の声のような女性合唱が神秘的で、背筋がぞくっときた。素敵な終曲だった。

今日はじめて「組曲《惑星》」全曲が好い曲だなぁ、と感じることができた。
night
ブリテンのヴァイオリン協奏曲、曲自体もベルクのヴァイオリン協奏曲よりずっと聞きやすく、楽しませてもらった。スペイン内戦への追悼、第2次世界大戦への不安、という考えが当時のブリテンにあったのかも、と思うと、すっと馴染む曲だ。

庄司さんのヴァイオリン、難しそうなところもすごく丁寧に、1音1音職人が寿司を握るように音が出てきたことに、耳がごちそう様と言っていた。特に低音が心地よく、癒しのあるヴァイオリンだと思った。ありがとうございました。

ただヴァイオリンの音は私より妻の方がうるさく、「平坦、退屈」と厳しい意見だった。聴く人それぞれだ。
wine

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