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インキネンさんのヴェルディ レクイエム

2016/4/16(土) 18:00~ 横浜みなとみらいホール
日フィル 第316回横浜定期演奏会
ヴェルディ レクイエム
指揮    :ピエタリ・インキネン
ソプラノ  :安藤 赴美子
アルト   :池田 香織
テノール  :錦織 健
バリトン  :妻屋 秀和
合唱    :晋友会合唱団


今にして思えば、2009年にバレンボイム指揮のミラノスカラ座管弦楽団の演奏で初めてヴェルディのレクイエムを聴いたとき、もっと驚いてもよかった。あの時に逆戻りしてもう一度聴いてみたい、と悔しがっても仕方がない。何の驚きもなく、わーすごい演奏だった、とただ感動してしまった自分がもったいない、と思った。

フォーレやモーツァルトもすごいけど、ヴェルディのレクイエムってやっぱりスゴイ曲だ、って感じることになった。大オーケストラと、混成合唱と、4人の独唱が大活躍して、それぞれがみんな美しくて、オペラを聴いているように劇的でロマンティックで。

生で聴くからこそ、そう感じたのだと思う。インキネンさんと日フィルの繊細で美しく、声楽を引き立てるオーケストラ、見事な合唱、バランスの取れたソロ。

特に前半はよかった。オーケストラは合唱や独唱を邪魔せず引き立てて脇役に、時には大音量で主役に、と見事にコントロールされていた。さすがインキネンさんだ、と思った。合唱は後から妻に言われて気が付いたが全曲楽譜なしで歌っていた。ソロは4人のバランスがよかった。日本人同士だからだろうか、本当に美しかった。特にメゾソプラノの池田さんとバスの妻屋さんの声は迫力だった。全曲通してこの2人が演奏全体を支えていたと感じた。代役となったソプラノの安藤さんの声も魅力的だった。迫力と繊細さと美しさをバランスよく聴かせてくれたように思う。

でも残念だったのは第7曲、代役だったせいか、また1時間歌った最後の最後、難しい曲なのだろう、もう少しだった。前半よかっただけにとても残念だった。

妻はかなり厳しい意見だったが、私にとっては十分心に響く演奏だったし、いろいろなことを感じたよい演奏会だったと思う。日本でこの曲を聴いてこれだけ感動できるのだな、とも感じ、オーケストラと合唱の質の高さは少し誇らしく思ったりもした。ただ独唱が合唱とオーケストラに比べて足を引っ張っているように感じたのが残念。毎度のことで覚悟はしていたけど、錦織さんは私としては納得がいかない。あまりに外の3人のレベルと違うので、何度か気持ちがスーッと冷めたところがあった。

毎度クールなインキネンさんはアンコールに応えてほいほいと舞台袖と指揮台を行ったり来たりしない。今日は特にクールで、「もうわかったから帰ろうよ」と声が聞こえてきそう。今日の出来を一番わかっているのはインキネンさんなのだろう。

bud

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