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ラザレフさんの弦セレとショスタコ4番

2014/10/25(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第664回東京定期演奏会

チャイコフスキー  弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
ショスタコーヴィチ 交響曲第4番 ハ短調 作品43

指揮  : アレクサンドル・ラザレフ

緊張感と驚きの演奏会だった。さすが、ラザレフさん。

弦セレはラザレフさんのきめ細やかさと、特に第3、第4楽章のコントラストにしびれた。第3楽章の出だしは見事に揃った弱音で演奏がピリリと締まり、しかも優しく柔らかい音に癒された。過去第3楽章をこんなに深く感じたことはない。なんと優しい演奏なんだろう。続く第4楽章はパチッと切り替えて早いテンポで緊張感ある演奏に引き込まれる。第2楽章はテンポの揺れや音の強弱が面白い。それぞれの楽章の個性が強く感じられることで楽章同士の相乗効果が出てきたように思う。

ショスタコーヴィチは、最後の5分が新しい感動だった。プレトークの山野さんが「わからなくていいんです」って言ってくれたので「そっか、それでいいんだ」って思えた。長いし、次々違ったメロディーが出てくるし、一体どこに連れてかれるんだ?っていつも思って録音を聴いていた。おまけに全ての楽章が弱音で終わるため通勤電車ではさっぱり良さがわからない。あーこりゃだめかな~って思っていたところに先の山野さんの言葉。肩の力が抜けた。

そうは言ってもやっぱり長くて途中うとうとしたりしながら、ラザレフさんの繊細と豪快が両立した音の厚さに酔った。特に最後の5分の微音、最後の沈黙に感動。曲のすべてが最後の5分のためにあるのだ、と最後まで聴いて初めて、この曲の素晴らしさを知った。あの息が詰まるような沈黙は忘れられない体験になるだろう。曲が終わり拍手をしながら感動がゆっくりと体中に浸み込んできた。

もうひとつ。今日のプレトークの山野雄大さんの話はうれしかった。ラザレフさんの演奏についての感想やショスタコーヴィチの4番が分かりにくいことなど、私が感じていることをそのまま話してくれたから。他の人がどう言おうと、自分が感じることが大事と思っているが、他の人も同じ考えであることを知るとそれはうれしいものだ。弦セレの第3楽章がよい、という話もその通り感じた。wine

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