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山田和樹さんのR.シュトラウスとシェーンベルク

2014/9/13(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第663回東京定期演奏会

R.シュトラウス 楽劇《ばらの騎士》よりワルツ第1番
シェーンベルク  浄められた夜
R.シュトラウス 交響詩《ドン・キホーテ》

指揮  : 山田 和樹
チェロ : 菊地 知也
ヴィオラ: パウリーネ・ザクセ

ドンキホーテにしても浄夜にしても、物語や詩に基づいた音楽というのは手間がかかる。音楽を聴く前にまずそれらを理解しなくちゃって思う。とてもじゃないけど小説をすべて読む気もなく、ドイツ語の詩を理解する余裕もない。それでも大体こんなものかなってわかったところで、ドンキホーテなんて興味ないしそんなボケキャラの音楽嫌だなって思った瞬間から、その音楽に対してはマイナスからのアプローチになる。よしそれでも聴こうかって思ったとしても、これは風車でこれは羊、ここのところは木馬にまたがって空を飛んでる気持ち、など、把握していないと演奏者が何を表現しようとしているかわかってあげられない。本当に面倒だと思う。

面倒な音楽だと思っていた割には、ドンキホーテは、よかった。ソロのチェロとビオラは活き活きして人間の会話ののようだったし、オーケストラの音がとにかくキレイだった。リヒャルトシュトラウスの音楽は家庭の問題を持ち込んだり、詩と音楽とどちらが素晴らしいか、など考えなくてはならなかったりでややこしくて遠ざかっているが、音の響きは明るくて斬新で色彩感があって、キライではない。今回のドンキホーテは大オーケストラがバランスよくキレイに響いていた。作曲がいいのか、指揮がいいのか、それはわからないけど。いっそのこと、バックにドンキホーテの映像を流したらどうかな。

ワルツは予習もせず期待もしていなかったが、これまた意外にもよかった。出だしではあーまた理屈っぽい感じ!って思った途端に睡魔が襲って来たけど後半のワルツのリズムと色彩感には思わず目が覚め、気持ちが持ち上げられる。ラベルのラ・ヴァルスを思い出した。10年後か20年後か、山田さんがウィーンフィルのニューイヤーコンサートで指揮をする姿を見るまでは死ねない、と思った。

浄夜は学生のころから好きな曲だったけど、考えてみたら生で聴いたのは初めてだし何より最初から最後まで真剣に聴いたのも初めてだ。単一楽章で30分もの大曲なので正直集中力が持たなかった。聴衆だけでなく、実は演奏者もそう思ったのではないのか。でも中盤で転調してからは暗く重い前半との対比が素晴らしく聴き入ってしまった。デーメルの詩でいうと過ちへの許しと受容ととうことになるのか、そういう感情を感じ取れた。最後の和音は天国に導くかのようだった。この曲もオペラのようにステージ左右に詩を表示すればもっと理解が深まるのに、って思う。そういえば楽器の配列が不思議だった。正面からヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと左から並び、後ろ正面にコントラバスが1列に。こんな配列初めてではないかな。

今回は標題音楽への不満噴き出しになってしまった。まだまだ音楽への理解が足らないようだ。

でも山田さんのワルツの指揮は優雅だったし、ドンキホーテの指揮はカッコよかった。色彩感のあるリヒャルトシュトラウスをありがとうございました。でも、表題音楽はどうも好きになりにくいな。horse

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