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ラザレフさんの《プロメテウス》と《ダフニスとクロエ》

2014/5/31(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第660回東京定期演奏会

リスト 交響詩《プロメテウス》
スクリャービン 交響曲第5番《プロメテウス》
ラヴェル バレエ音楽《ダフニスとクロエ》第1、第2組曲

指揮 : アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ: 若林 顕
合唱 : 晋友会合唱団

大オーケストラで大音量なら何でも満足、とは限らないのだ。そのことが今日の演奏会で理解できた最大の成果だ。

やっぱりスクリャービンの良さはわからなかったな。管弦打楽器、ピアノ、合唱がバランスよく演奏され、あれだけの迫力だったのに。かなりの難曲であろうことは私にも想像できたし、いい演奏だとは思えたのに。今までスクリャービンの曲をラザレフさんの指揮で聴いてきたがビンとくる演奏はなかったように思う。今の私にはスクリャービンとは通じ合えない。きっとそれだけのことだ。

リストもスクリャービンもラヴェルも、それらの録音を朝の通勤時間に聴いていたが、ラヴェルを聴くのが一番不真面目だった。電車の音や雑踏で聴こえない箇所が多いから。でも事もあろうにそんなラヴェルに感動した。大編成から奏でられる微音。それぞれの組曲の最後の盛り上がり。それに硬い音から柔らかい音まで変化させながら熱く盛り上がっていく美しい弦。印象派絵画を観ているようだった。とはいえラザレフさんのラヴェルはロシアの熱い情熱が感じられる演奏だったように感じた。それはそれで興味深かったが、もしもう1度聴く機会があるとしたら、今度は曖昧模糊としたモネ晩年の睡蓮のような演奏を聴いてみたいものだ。

演目もプロメテウスつながり、バレエ・リュスつながり、時代つながりと、かなりお互いの関連性が明確になっている選曲が興味深かった。

ところでラザレフさんの指揮を見ていると先日の小澤さんの指揮が記憶に蘇る。小澤さんの指揮は、素人目でみても、明確な体と腕の動きで「こういう音が欲しい」ということを表現していたように思う。私はラザレフさんの演奏が好きなのでラザレフさんの指揮が悪いというつもりはないのだけれど、さすが「世界の小澤」と言われるだけあるのだなぁ、と今になって思う。

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