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山田さんの≪火の鳥≫とニールセン≪不滅≫

2014/4/26(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第659回東京定期演奏会

ストラヴィンスキー バレエ音楽《火の鳥》(全曲版 1910年)
ニールセン     交響曲第4番 作品29《不滅》

指揮            : 山田 和樹
ゲスト・コンサートマスター : 高木 和弘

メインディッシュが2つ、とプレトークで山田さん自身が語った通り、まるで演奏会を2つハシゴしたかのように2倍感動した演奏会だった。その場でゾクゾクドカンとくる《火の鳥》と後々までじんわりと尾を引く《不滅》。感動にも種類があるものなのか。おかげさまで疲労感も2倍でうれしい限りだ。

どちらの演奏も録音ではわからなかった音楽の感動を浮き上がらせてくれた。

《火の鳥》の静かに始まる前半はこんな楽器がこんな演奏をしていたのかと驚いた。各楽器が勝手に音を出しているようでなんとなく音楽になっている。なんだかラベルの音楽のようにも感じた。全曲通して変拍子がないとのことだが後半には《春の祭典》を思い出させるような旋律もあり、こんなことさえも録音では気がつかないのか、と自分でも呆れた。火の鳥の妖艶なメロディー、激しい戦闘のリズムと音楽、最後のハッピーエンド、大編成のためもあるのだろうが後半から最後にかけて感動が沸騰して湧き上がってくるかのようだった。

《火の鳥》はあらかじめ録画してあったバレエを観ておいた。そのシーンを頭に想い描くとさらに演奏が活き活きと感じたことは事実だ。「絶対音楽」と言われるベートーベンやブラームスを聴いて自分の心情と重ね合わせて感動するのとは聴き方のアプローチを変えないといけないと思った。明確なストーリーと風景が与えられてしまうという点では気楽に聴ける分、自分のイメージと如何に一致しているかで感動の大きさが決まってしまうような気もして不自由だと言える。妻の場合はバレエのストーリーは敢えて確認せずに自分の《火の鳥》を生み出しているそうだ。こういう自分勝手な聴き方もアリか。

《不滅》は第1部が驚きだった。自分が聴いていた録音とまったく違ったからだ。今日の演奏は、メロディーのひとつひとつの部品に色を塗ってそれらを重ねて音楽にしていくように感じた。時には混ざり合い時には共鳴し合って音楽全体を作り上げているように感じた。ベートーベンの交響曲を聴いていると固いレンガを積み重ねて音楽を作り上げているような印象を受けるが、《不滅》はお互いのレンガが溶け合い混ざり合っているようだ。

今回は驚かされること、気づかされることが多い演奏会だったが、こんなに感動したのにうまく文章にできない回も珍しい。それはへとへとだからだ。でもこんな刺激を与えてくれる演奏って、やっぱりスゴイ。山田さんの契約延長も決まり、またまた楽しみが増えたな。

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