« 小澤征爾音楽塾の《フィガロの結婚》! その1 | トップページ | 山田さんの≪火の鳥≫とニールセン≪不滅≫ »

小澤征爾音楽塾の《フィガロの結婚》! その2(完結編)

続きです。

それでは会場の話。場所はよこすか芸術劇場。初めての体験だった。
<オペラ・ドラマティコ形式>って何だかわからず、演奏会形式に衣装を着けたくらいかな、と思っていたが全然違った。大道具が若干簡略化されていることとオーケストラピットが凹んでいないこと、またそれに合わせて舞台も高くなっていること、おかげで安い私の席からもなんとか舞台の半分くらいがみえたこと。ストーリーはわかりやすいしオーケストラは見やすいし、私にとってはみんなプラスの想定外だった。

指揮の振り分けも、もっとこまめに交代するのかと思ったら各幕で1~2回くらいではなかったか。2幕ではほとんど小澤さん、3幕ではほとんどテイラーさん、とばらつきはあったが。この部分は小澤さんで聴いてみたかった!などと思ったところもあったけど、贅沢は言うまい。最後まで小澤さんが指揮をしてくれたことだけで感動のあまり胸がいっぱいになったのだから。

休憩は1幕の後に20分、2幕の後に20分、の2回。長さも回数も丁度良い感じだ。一般的な「フィガロ」も同じなのだろうか。

音響について。
意外に響いた劇場だった気がする。昔の記憶でどこまで正しいか自信がないが、ウィーン国立歌劇場ではもっと反射音が少なかったように思う。そのため声がとてもよく聴こえ、反対にオーケストラは華やかさがないものだった。よこすか芸術劇場は同じ馬蹄形だけどそこまで極端ではなく多目的を前提とした設計なのだろうか。

座席は3階左側(3LA列)だった。ちゃんと座ると前の壁と手すりで舞台が斜めにカットされ、オーケストラも半分しか見えない。オーケストラより舞台を楽しみたいのであれば正面に座らなくてはならないだろう。舞台に遠い方の隣人を気遣えば前に乗り出せずストレスは感じる。ある程度ストーリーを覚え頭の中で舞台を再構成しながら観れればよい席だと思う。

そういえば小さな出会いがあった。
妻は舞台寄りに座ったが、その隣に座ったご年配の婦人がかなり身を乗り出して観ておられた。1幕が終わった直後に少し体を下げていただくようお願いしたところ、逆に恐縮されてしまい申し訳ないことをした。しかしとても素敵な方で逆に世間話などしてくれ気持ちよく2幕以降を楽しむことができた。お互い不愉快な気持ちになる可能性もあったのにご婦人の大人な対応に感謝です。

あっという間の3時間が過ぎ、劇場を後にしたのは19時近かったか。今回ばかりは余韻を楽しみたくて食事をしてから家路についた。食事の際にも素晴らしい出会いがあり今日一日に花を添えてくれたが、そのことは私たち夫婦の大切な思い出として語り継がれることになる。

リアルなものから得られる感動の大きさに改めて感動し、クラシック音楽の奥深さに改めて畏敬の念を感じつつ、そしてますますクラシック音楽の深みにはまっていく自分を感じるのでした。おしまい。

■スタッフ
音楽監督/指揮    :小澤征爾
指揮/チェンバロ   :テッド・テイラー
演出        :デイヴィッド・ニース
装置        :森安淳/尼川ゆら
衣裳        :ジェームス・アチェソン
照明        :高沢立生
管弦楽       :小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱        :小澤征爾音楽塾合唱団

■キャスト
アルマヴィーヴァ伯爵:クレッグ・ヴァーム
伯爵夫人      :シャーン・デイヴィース
スザンナ      :デヴン・ガスリー
フィガロ      :ウェイン・ティグス
ケルビーノ     :リディア・トイシャー
マルチェリーナ   :牧野 真由美
バルトロ      :デニス・ビシュニャ
バジーリオ     :高柳 圭
アントニオ     :町 英和
ドン・クルツィオ  :升島 唯博
バルバリーナ    :三宅 理恵

|

« 小澤征爾音楽塾の《フィガロの結婚》! その1 | トップページ | 山田さんの≪火の鳥≫とニールセン≪不滅≫ »

小澤征爾」カテゴリの記事