« 日本フィル オールスター・ガラ | トップページ | 妹へのメール »

インキネンさんのシベリウス・チクルス(第1番、第5番)

2013/3/16(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第648回東京定期演奏会

シベリウス 交響曲第1番 ホ短調
シベリウス 交響曲第5番 変ホ長調

指揮  : ピエタリ・インキネン

私にはわかっている。

インキネンさんは第1番より第5番のほうが好きだということを。音合わせのときもきっとこう言ったに違いない。「5番から始めましょう。」「あれ、もうこんな時間だ。1番を合わせる時間がないなぁ。じゃ、少しだけ。」
そういう訳で5番が素晴らしかった割には1番がいまいちだったのだ。

しかし私にはそんなインキネンさんを非難することはできない。残念ながら終始睡魔との闘いだったからだ。残念なのは1番の演奏ではなく、春の暖かい陽射しと、大量の花粉と、今週仕事に追われたことで訪れた睡魔だ。

第1番はなんとなくしっくり来なかった。いつものインキネンさんと違うと感じた。厚い雲の合間から陽射しが見える感じ。ところどころなんとなく音が揃っていなくて心がひとつになっていないように思える。それでも3楽章は面白かった。解説には「ブルックナー的」と書いてあって、確かに言われれば交響曲第9番の第2楽章に通じるものがあるか。しかし私が最初に思ったのは何故かマーラーの交響曲第6番の第1楽章だった。今日の演奏がとても攻撃的に感じたからかもしれない。

第5番は全体通してとても美しくインキネンさんらしい演奏だったと思う。何より音がきれいなのが好きだ。最後の5分くらいはさすがの睡魔も退散し背筋がぞくっときた。

3月2日のガラコンサートでフィンランディアを合唱して以来心を改め、通勤時にずいぶん今日の2曲を聴きこんで好きになったつもりだったが、今日生の演奏を聴いてみてもなんとなく気持ちが入って行きにくいように思う。北欧の大自然や寒くて寂しい街並み、悲惨な歴史など、亜熱帯日本の首都圏に暮らす私が想像できる範囲を超えている。せいぜい妻の実家の盛岡を思い浮かべるくらいだ。実際にその土地を訪れてみること、歴史的事実を深く理解することが音楽の理解を深めるかもしれない。いつか理解できる日が来るだろうか。

問題はもうひとつあった。チクルスだ。もし前半が第1番ではなく別の作曲家の曲だったら、第5番の感じ方もまた違ったかもしれない。演目自体もその演奏会のよさを左右するのではと改めて思う。たとえば前回の山田さんの演奏のように。やはりチクルスは苦手かもしれない。すき焼きもねぎやこんにゃくが入っているからこそ、牛肉が美味しいのだ。

cherryblossom

|

« 日本フィル オールスター・ガラ | トップページ | 妹へのメール »

ピエタリ・インキネン」カテゴリの記事