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ラザレフさんのチャイコフスキーとプロコフィエフ

10/20(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第644回東京定期演奏会

チャイコフスキー  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
プロコフィエフ   交響曲第6番 変ホ短調

指揮     : アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン : 川久保 賜紀

家を出る前に、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲について取り上げたNHKの番組「名曲探偵アマデウス」の録画を観た。美しい旋律の中に重音やグリッサンドなどの超絶技巧がさりげなく散りばめられていることを知る。コント風のおちゃらけ番組だが面白いし役に立つ、NHKらしい番組だ。最近放送されないのが残念。

川久保さんのヴァイオリンは女性的で繊細で優しい音を奏でながら涼しい顔で難曲を弾く、パーティの派手な女優というより和服姿の日本女性という感じ。技術的にはもちろん、私は特にきれいな音に魅せられた。

それを支えたラザレフさん+日フィルも見事。盛り上げるところは盛り上げて曲全体のバランスは取りつつも、ソリストの引き立て役に徹しヴァイオリンソロの聴かせどころでは音量を絞ってソロにスポットライトを当てるコントロールがすごい。音量だけで考えるとやはり迫力いまいち、という気もするがソリストとオーケストラのバランスが協奏曲の命、堪能した。

プロコフィエフは、第1、第2楽章が良かったと思う。「廃墟のカラスの鳴き声」とラザレフさんが指示したといわれる第1楽章冒頭の金管の下降音はため息というよりは鋭い鳴き声に通じるものを連想した。その後の弦楽器の静かで優しい旋律と管楽器の刃物のような鋭い音の対比が戦争の悲惨さを連想させる。音もきれいだ。緊張感と楽器群がそれぞれ独立して聴こえるクリアな響きは毎度感服する。第2楽章冒頭は悲痛な叫びのよう。それでいて音は広がりを感じて美しい。第3楽章は前半がなんとなくしっくりこなかったけど後半に向けての緊張感の高揚がすごかった。

先月はがっかりだったが今月は大満足、オーケストラって本当に不思議な生き物だと思う。だから面白いし奥が深いのかも。

今週は仕事の都合で睡眠不足が解消できないまま当日を迎え、演奏会後も身体が重く、どうやら風邪をいただいたようだ。せっかくの演奏を万全の体調で楽しめないのは残念だ。

普段は前半か後半どちらか居眠りこいてる妻は今日は絶好調。こういう姿を見るとやはりラザレフさんパワーってすごいのかも、って思わざるを得ない。

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