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広上さんのシュトラウス、シューベルト、ベートーベン

10/22(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第634回東京定期演奏会

シューベルト   交響曲第3番 ニ長調
ブラームス    ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
R.シュトラウス 《町人貴族》組曲

指揮    : 広上淳一
ヴァイオリン: ボリス・ベルキン
ピアノ    : 野田清隆

広上さんがとても楽しそうに踊るように指揮をされていて、それを見ているだけで楽しくなる演奏会だった。

シューベルトはいままで聴く機会がほとんどない作曲家だった。控えめで刺激がなく退屈だ、という先入観を持っていたこともある。今回交響曲第3番を聴いて意外に聴きやすいことを知った(歳のせいかな?)。調べるとロッシーニの影響ということが書かれているがロッシーニもあまり聴かないのでピンと来ない。私としてはモーツァルトとベートーベンを足して2で割ったような印象を持った。

生で聴いてどう感じるか楽しみにしていたが、今日の演奏は残念ながらあまり好きにはなれなかった。ティンパニの音がパコーンパコーンと軽すぎて、曲全体の雰囲気からずれているように感じた。演奏全体もなんとなくシャカシャカして落ち着いた感じがなかったように思う。高音が強めだったのだろうか。好みの問題だろうか。2楽章はゆったりした最初と少し早めの中間部の対比が面白く素敵な演奏だと思った。音も他の楽章に比べて落ち着いた感じがした。

ブラームスはオーケストラがとても美しいと思った。中低音の重厚感とヴァイオリン高音の神経質な雰囲気がどちらも感じられ、自分の持っているブラームスのイメージと重なった。2楽章の出だしのオーボエソロもお見事!とてもロマンティック。弦も管もヴァイオリンソロを引き立ててでしゃばらず、上品な演奏だったと思う。ティンパニの音も良かったと思う。なんでシューベルトだけあんなにズレて感じたのだろう。

引き立て役のオーケストラもよかったけどヴァイオリンソロのベルキンさんはオーケストラの音に埋もれずさすがに迫力だった。ヴァイオリンやチェロ協奏曲はオーケストラに同じ楽器があるから主張がないと埋もれてしまうと思うけど、今日の演奏はしっかり聴こえた。ただ音がとてもワイルドで時には雑に聴こえて私の好みではなかった。

そういえばべルキンさん、ステージに上がる直前まで舞台袖で大きな声で広上さんとお話していたようでその声が漏れ聞こえてきた。さすが大物。。?

シュトラウスはCDで聴いているうちはなかなか馴染まなかったけど今日の演奏は楽しむことができた。室内楽のような小さな編成でピアノが中心に据えてある。音がとても上品できれいで、うっとりしてしまった。

特にコンサートミストレスの江口さんのヴァイオリンは甘くて繊細で色気があり素敵だった。私はベルキンさんより江口さんの音のほうが好きだ。音量と繊細さは相反するものなのだろうか。どちらも望むのは贅沢なのだろうか。もしそうだとしたら、やっぱりブラームスのヴァイオリンソロはベルキンさんがよかったし、シュトラウスは江口さんがよかった。

7曲目の出だしのヴィオラのソロの音もきれいで感動してしまった。ヴァイオリンと違ってヴィオラやチェロの音は落ち着く感じがする。

上品できれいな演奏。
広上さんの風貌からは想像しにくいけど、そんな印象をもって会場を後にした。

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