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下野さんと読響のロマンティック

7/19(火) 19:00~ サントリーホール
読響 第506回定期演奏会

ヒンデミット   《さまよえるオランダ人》への序曲
ヒンデミット   管弦楽のための協奏曲 作品38
ブルックナー   交響曲第4番《ロマンティック》(ハース版)

指揮  : 下野竜也

初めての読響を聴き慣れたサントリーホールで楽しむ機会を得た。

2階のA席。センターの後ろの方だった。ステージがまるでテレビの中のように見える。
「オランダ人」では弦楽合奏が左右に華やかに広がり、うわ~いい響きだなぁ、って思った。一方、「ロマンティック」では強い音の残響が他人事のように自分よりもずいぶん前で響いている。まるで2階最前列の前に透明のカーテンが引いてあるようだ。いつものステージ真横の席では残響の中にいるのに今日の席は残響の外から聴いている感覚。生の迫力を取るか、左右に華やかに広がる音の響きを取るか。私は指揮者と演奏者の息遣いが感じられるようないつもの席がいいなぁ。

「ロマンティック」では激しさと静けさ、野蛮さと繊細さのコントラストが強く出ているのを感じた。特に4楽章は引き込まれる演奏だった。

残念だったのはホルンなど金管だった。目立つところで音が外れたりテンポがずれるように感じたため気になって集中できない。多少のミスは生演奏だから仕方ないとしても今回は多すぎに思う。プロなのだから最低限楽譜に書いてある音を正しく出すところからスタートして欲しい。以前ブロムシュテットさん指揮のN響で同じ曲を聴いたがもっとひどかった記憶がある。日本のオーケストラでは満足できる演奏は聴けないのだろうか。きっとホルンはとても難しいのだろうが、技術的に演奏できないなら取り上げなければいいのに、とも思う。

木管は、趣味の問題かもしれないが、フルートさんとオーボエさんの音は日フィルのほうがなんとなく好きだな、って思った。

ヴァイオリンはじめ弦楽器も少し物足りない。低音は渋めの音でずいぶん響いていたが高音は管楽器に隠れてよく聴こえない。聴こえても少し固めの音で好きになれなかった。4楽章半ばに弦のみの合奏でかっこよく響くところがあり密かに楽しみにしていたが、迫力はあったがN響や日フィルで感じる繊細な美しさは感じることができなかった。

「ロマンティック」の4楽章を除く全体で気になったのは、強い音の時に合奏の美しさを感じることができなかったこと。音量だけではなく調和やバランスの問題なのだろうか。

このように「ロマンティック」は特に初めて聴くオーケストラだと悪い印象を持ってしまうようだ。しばらくこの曲は生で聴きたくないなぁ、って思った。前半のヒンデミットがとても良かっただけに残念だ。もし別の曲だったら読響に対しての印象も違ったものになっていただろうと思う。

そういえば3楽章の終わりに「ブラボ~ッ!?」と叫ぶオヤジがいた。お陰で4楽章の最後は確信犯的「ブラボーオヤジ」は黙り、ゆっくり聴くことができてよかった。あの恥ずかしい「ブラボ~!?」は録画ではカットできるのかな、なんて余計な心配。

なんだかんだ言っても、やはり生の演奏会はいい。
なんだかんだ言っても、大きな満足感に満たされて家路に向かう。
素敵な平日夜の演奏会でした。

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