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広上さんのハイドン、ヒンデミット、シュトラウス

7/9(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第632回東京定期演奏会

ハイドン     交響曲第60番《うつけ者》
ヒンデミット   交響曲《画家マティス》
R.シュトラウス 組曲《薔薇の騎士》

指揮  : 広上淳一

地味な選曲…と思っていたがそうでもなかった。

 《うつけ者》はもともと戯曲の付随音楽を6曲まとめて交響曲にしたものと知り、改めて聴くとなんとも楽しい曲だった。広上さんの指揮がいいのか各楽器群がそれぞれしっかり聴こえていわゆる古典音楽のアンサンブルの美しさを久しぶりに感じた。最終楽章のちょっとしたふざけた寸劇?もスパイスになってよかったかな。
 ハイドンの曲を演奏するにはサントリーホールは響きすぎると思う。でも休符をしっかり取ってくれたためか音はクリアで違和感は感じなかった。
 《うつけ者》は完全に予習不足だったけど新しい発見があったしアンサンブルの美しさに魅せられた。

 広上さんの演奏は、見かけによらず(失礼!)上品かな、と感じたのは《画家マティス》だった。強音の箇所でも音が美しい。音楽は見映えじゃない。改めて思う。またこの曲はイヤホンで録音音源を聴いてもちっとも面白くないけど今日の演奏は引き込まれた。それぞれの楽器がそれぞれの個性で共鳴している感じ。
 やっぱり音楽は生だ。生の音楽を身体全体で聴くのって素晴らしい。

 色彩感がある、ってよく言われるし自分でも使うけどそれって何だろう。ラヴェルとシュトラウスは色彩感があるなぁって思うけど自分はいったい何にそう感じているのだろう。具体的な映像をイメージできることもあるかも知れない。でももっと強い原因は独特の和音だと思う。それがどんな構成の和音なのか知識がなくわからないけどふわ~って広がる空間の広さを感じさせるような和音。そんな和音を使いこなす作曲家がいて、また見事に再現する指揮者とオーケストラがいるということだ。

 ちょうど一週間前、食あたりでダウンし、土日を含む5日間まともな食事が摂れずに苦しんだ。仕事をこなし、美味しく食べ、時々音楽を聴くこと。こんな当たり前のことが体調を崩しただけで全て崩れ去る。幸せとは幸せを感じることだ、と何かに書いてあったが本当だと思う。今日の演奏会はいつもより身体全体にずしりと響いた。

 ところで広上さんの後ろ姿は、なんと、チェロの菊地さんの後ろ姿とそっくりだ。

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