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日フィル 第619回東京定期演奏会(メンデルスゾーン+ワーグナー)

3/13(土) 14:00~ サントリーホール
日フィル 第619回東京定期演奏会

メンデルスゾーン 交響曲第5番《宗教改革》
ワーグナー 楽劇《パルシファル》より第1幕への前奏曲
ワーグナー 楽劇《トリスタンとイゾルデ》より前奏曲と愛の死

指揮  :上岡敏之

 オペラを鑑賞するのはもっと歳とってからだろうと勝手に思い込んでました。それでもパリのオペラガルニエでオペラを観てみたいという不純な動機から2007年9月のパリ旅行でR.シュトラウスのカプリッチョを観たけど、「パリのオペラ座でオペラ観た!」という自己満9割でした。同じ年の11月にN響+ネルロ・サンティさん指揮のラ・ボエーム(演奏会形式)で涙と鼻水を流し、2009年にウィーンでいくつかのイタリアオペラに鳥肌立ててやっぱりオペラはイタリアだ、って思ったものの、日本に帰ると日々の仕事と貧乏生活に追われ、2時間も3時間もDVD見続ける心のゆとりなどあるわけもない。ましてや生のオペラ鑑賞など。2009年年末に念願のブルーレイ録画機を購入してBSのオペラ番組を録画(だけ)したりしてオペラファンぶっている今日この頃です。そんな私にワーグナーなど、と最初から弱気の4月でした。

 上岡さんについての予備知識はほとんどなくて、今回初めて聴くかな~って思っていたら、2006年のN響第九で聴いていたってことが後で調べてわかりました。でもまったく記憶がないのは演奏の良し悪しよりも自分の記憶力の問題だと思うけど。プレトークでお聞きした上岡さん像はなかなか興味をそそるものでした。いわゆるスター指揮者ではなくドイツでたたき上げで実力をつけてきた方だということでどんな演奏になるか、興味が湧きました。「ドレスデンアーメン」の旋律も教えてくださり、ますます楽しみになりました。

 上岡さんの指揮で最初にへえーって思ったのは、メンデルスゾーンの第一楽章冒頭の静かに始まる部分でした。う~んかっこいい。ゆっくりゆっくり右に左に流れるような指揮棒はとてもきれいに見えました。第二楽章では体全体で曲の雰囲気を伝えているようでとても面白かった。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでもこんな指揮をする人がいたなぁ、と思い出したり。オーケストラの演奏者の気持ちは想像もつかないけど、どうしてあんな指揮棒の動きで演奏が揃うのだろう、と、いつも不思議です。演奏者にとってよい指揮者とはいったいどんな指揮者なんでしょうか。見やすい指揮者?表現が豊かな指揮者?事前の練習ですべて終わって本番はカッコだけなのでしょうか?そうそう、ワーグナーでは最後の緊張感がよかった。静かに終わって左手を胸に抱えたまま緊張した沈黙を作ってくれたのはうれしかった。いつも拍手が早くてがっかりしてるから。

 パルシファルはブルックナーを思い出させられちゃう。ブルックナーはワーグナーを信奉していたということなので言い方は逆かな。宗教的な、空に吸い込まれていくような信仰の深さを感じてしまう曲でした。この美しさを表現するのは何とまあ難しいのだろう。CDで聴いてしまえば何てことないけど演奏会に足を運ぶとそんなところが気になってしまう。トリスタンとイゾルデも、弦がぐわ~って盛り上がるところでちょっと欲求不満気味。もうちょっと迫力あってもいいかなぁ。そんなこんな気持ちがワーグナーの演奏の最後まで残ったのでした。その理由は会場を後にしてからわかりました。「上岡さんの言いたいことが日フィルに伝わってなかったんじゃない?」と前半暴睡の妻の言葉。プロコフィエフとかショスタコービッチとか聴くと結構勢いを感じて感動しちゃうけど、「ワーグナー演奏している日フィルは演奏している人たちがつまんなそうだった」ように、確かに、感じた。もし本当にそうだったら、やっぱりオーケストラの演奏って奥が深いね。でもきっといつか、日フィル+上岡さんで感動させられる日が来るだろうと、楽しみにしています。私もその頃にはワーグナーがもうちょっとはわかっているかもしれないし。

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