« 日フィル 第616回東京定期公演 (ブルックナー) | トップページ | 伊豆 八幡野にて »

日フィル 第九特別演奏会(2009/12/19)

12/19(土) 14:30~ サントリーホール
日フィル特別演奏会

J.S.バッハ トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
J.S.バッハ 主よ、人の望みの喜びよ
ベートーベン 交響曲第9番 ニ短調 《合唱》

指揮  :小林研一郎
パイプオルガン:勝山雅世
ソプラノ:菅 英三子
アルト :相田 麻純
テノール:錦織 健
バス  :青戸 知
合唱  :東京音楽大学

 普段の定期演奏会と比べて入り口の混雑具合がすごい。さすが第九。チョコレート屋さんの売り上げの何割かがバレンタインデー前に集中するように、日本のオーケストラの売り上げの何割かは年末の第九なんだろうな、などと考えながら席に向かう。今回は初めての席。2階RD席の1列目。前が通路なので視界が開けているがさらにその前の座席の上のパイプが少し舞台にかかるがほとんど問題ない。座席もほとんど埋まっているなぁ。

 サントリーホールのオルガンは初めて聴きました。どちらも名曲なので、うわーきれいだなぁ、などと思いながら聴いていましたが、頭の中は第九で一杯なので感動は薄かった。食前酒のようなものかな、と最初は思っていたが、美味しい和食をいただく前にりんごジュース飲まされたようなそんな感じ。前座みたいで、なんだかかわいそうでした。

さて休憩の後は第九。

う~ん、へたくそ~、っていうのが第一印象。
コバケンさんが最初から情熱的過ぎてオーケストラがついていっていないのかな、なんて感じました。各パートの音が噛み合っていなくて勝手に音を出している感じ。一番気になったのはティンパニ。目立つからね。リズムがずれてたりしてとても歯がゆかった。このまま終わらないで~と祈る気持ちでした。

第二楽章が終わって静かな第三楽章に入ったら、あれ?日フィルの弦はこんなにきれいだったかな?と思った。おっ、調子でてきたか?なんて少し期待してきました。

第四楽章。出だしで息が止まりました。う~んすごい。第四楽章の出だしはいつも不満に思っていて、なんだか失敗しているように聴こえる演奏ばかり。もともとベートーベンの作曲が悪いのか、ガシャガシャガシャガシャ、って感じで始まる。でも今回はリズムがしっかりしていたように感じた。聴いていて気持ちよい第四楽章のスタート。思わず引き込まれました。その後もメンバー変わったか?と思うほどシマリのある演奏。一体何がおきたのでしょう?よかった、最後に聴かせてくれた。でもずいぶんクセのある演奏だったように思う。ちょっとドラマチックすぎて。NHKの朝のニュースでつまらないギャグ聞かされ恥ずかしさを感じるような、そんなわざとらしさみたいなものを感じました。ちょとそこ、溜めすぎじゃないの~、そのテンポの変化はちょっとやりすぎじゃないの?とか、感じないではなかったけど、第一、第二楽章の演奏からはウソのような息の合った演奏に、いちいち寒気を感じている場合ではなかった。すっかり入り込んでしまいました。全休符(?)にしてもテンポの変化にしてもきれいにそろっていたからね。

バスの出だしも迫力があってよかった。P席の直下(オーケストラの後ろでティンパニの隣)に4人並んで歌っていたけど、後ろが壁のせいか、声がよく聴こえた。逆に錦織さんは期待していたけど声があまり通っていなかったように思う。第九は苦手なのかな。

合唱とオーケストラのバランスはよかった。12月定演のブルックナーみたいにバカ鳴りではなかったし、合唱の迫力もあったし。でも長く伸ばす音の最後の子音(発音記号で書くと[kt]みたいな音)がバラバラバラバラって聞こえたのが気になった。N響の演奏会では感じたことなかったけど。あれは何だったのだろう。

P席に座った合唱のメンバーがどこで立つのだろう、と、これも気になっていた。N響よりもずいぶん早いタイミングで「すっ」っと音もなく立ち上がりライトがついた。統一の取れた音のない動きは見事だったが、演奏の途中だったので少し気が散った。タイミングはN響のタイミングが好きだな。

出だしは最悪だったけど、最後ばっちり決めて、「終わりよければすべてよし」の演奏だったと思う。演奏者を立たせるのも最後のこばけんさんの挨拶も、好感が持てました。

第四楽章に限って言えば、ずいぶん癖のある演奏だったように思う。N響の第九を何年か続けて聴いてきていろいろな指揮者が来たけど、どの演奏も無難で美しく大きな個性は感じなかった。これは、名曲になればなるほど各オーケストラの味が決まっていて指揮者の味付け部分が少ないのではと感じた。日フィルの演奏はどうなんだろう。今回はコバケンさんの味なのか、日フィルの血なのか。次に日フィルの第九を聴くときに自分の耳で確かめてみたいと思う。

ちなみに。みさちんは感動の嵐だったらしい。N響では感じなかった感動に襲われたとのこと。音楽の歴史とか、作曲者のこととか演奏者のこととか、いろいろと知りたいし勉強したいと思うし、それがとても奥深くて魅力を感じるけど、そういうことと感動することは全く別だね。生の音楽を聴いて感動して涙を流せたら、それだけで十分なように思う。そもそもいろいろなことを知りたい、って思うのは大きな感動を得たいからで、勉強したことで理屈っぽくなってあら探しして、感動できなくなったら本末転倒。そうならないようにますます音楽を楽しめるようになりたいです。

おしまい。

今年の演奏会スケジュールもすべて完了です。来年もよい年でありますように。

|

« 日フィル 第616回東京定期公演 (ブルックナー) | トップページ | 伊豆 八幡野にて »

小林研一郎」カテゴリの記事