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第1656回 N響定期演奏会

10/24(土) 15:00~ NHKホール
N響 定期公演
プレヴィン     オウルズ
モーツァルト    ピアノ協奏曲第23番
ショスタコービッチ 交響曲第5番
指揮:アンドレ・プレヴィン
ピアノ:池場 文美

 10月から日フィルの年間会員になったため、11月まではN響と日フィルの両方の定演に行くことになる。今月は不幸にも同じ日に重なってしまったためショスタコービッチ5番を先月の日フィルの演奏と聴き比べをするために、日フィルを金曜日にずらす。さらなる不幸は金曜日が根本さんの送別会と重なったこと。泣く泣く日フィルは断念し、中野さんに譲った。

 土曜のN響定演の当日はみさちんと早めに渋谷に出て、うなぎを食べた後、それぞれ用事を済ました。私はタワレコで昨日の日フィルのアンコールだったと言うプロコフィエフの「シンデレラ」を購入。その後micに行って曇り止めやらチャックの潤滑剤など買い込んだ。

 1時間前にはホール前に到着。今回は列が長い。さすがプレヴィンさん。去年はピアノ協奏曲の弾き振りでがっかりした覚えがあるけど、今年は如何に。

 プレヴィンさん、ずいぶん身体が弱った印象でした。歩き方もよちよちで、指揮台にあがるのがやっと。指揮台の上の椅子に座っての指揮となりました。降りるときは演奏者が介添えをしてようやく降りるほど。事前にNHKのニュースでプレヴィンさんへのインタビューを見たけどずいぶんしっかりと話していたので印象の違いにびっくりした。こんなんでショスタコービッチ振れるのかな、という不安。

 オウルズが始まって最初に思ったのは、N響ってやっぱり上手いな、ということでした。日フィルと比べて音がきれい。弦のみの演奏部分ではうっとりしました。安心して聴いてられるな、と思って気がついたら曲が終わっていました。すっかり熟睡。

 モーツァルトはさすがに目が冴えました。前回のプレヴィンさんは弾き振りだったせいかオーケストラがバラバラで集中力に欠けた感じの演奏でしたが、今回は緊張感があるというよりは、とっても優しく繊細な演奏のように感じました。快活な曲でなのでもっとメリハリのある演奏もあるのだろうけど、この日のプレヴィンさんは穏やかな大人の演奏のように感じました。長いオーケストラによる序奏の後、ピアノが入りましたが、あれ?何かしっくりこない。なんだろう、と考えていました。池場さんの演奏は素朴で穏やかで、ある意味プレヴィンさんの指揮にマッチしていたように思ったけど、この「しっくりこない」感は何だろう。後ですっかり熟睡していたみさちんの感想を聞いて納得。「華がないピアノだったね」。そうか。素朴で穏やかな演奏であった分、プレヴィンさんが指揮するオーケストラに呑まれてしまったということなのか。池場さんのピアノは私は嫌いではなかったけど、協奏曲って難しいな、と改めて思いました。池場さんはアンネ・ゾフィー・ムターの伴奏者として有名らしいけど、やはり伴奏に向いている人なんだな、と思いました。ヴァイオリンやチェロのソナタを聴いていると、ピアノ伴奏やたらうるさく自己主張の強いのが多いけど、池場さんのピアノはさぞかし素敵な伴奏になるのだろう、と思いました。また、プレヴィンさんの良さが少しわかったような気がした演奏でした。

 今回の演奏会でとても楽しみにしていたのはショスタコービッチの5番。先月に日フィルの演奏を聴いていたのでどのように聴こえるか楽しみでした。指揮台に立てず座ったままの演奏でどこまでできるのかな、という不安もありました。でも結果として期待以上の演奏でした。腕だけの指揮でそれなりに表現していたと思うし年配の指揮者特有の小さな振りで良くぞここまで表現できました。N響もすごい。

 サントリーホールでの日フィルではステージの真横、指揮者の息遣いが聞こえるくらいの席で聴きました。それに比べてNHKホールは3階席。とても迫力では及ばないだろうな、と思っていたけどそんなことはなかった。息が合っているからか、音量も十分ですごい迫力でした。モーツァルト同様、勢いで突っ走る感じではなく計算尽くされかつ丁寧な中で迫力を感じました。さすが。4楽章では背筋にぞくっときました。また2、3楽章ではミスが目立ちやすいのだろうな、と思ったけどとても安心して聴いていられました。日フィルにはない安心感かもしれない。

 演奏会後、コーヒーの南蛮屋のおばさんに紹介してもらった渋谷の焼き鳥屋さんで一杯。N響は確かに上手い。でもそれだけでN響がよいというわけではない。同じ画家でも画風が完成された絵よりも若いころの自分の画風に悩んで書き上げた絵の方が感動するときもある。日フィルは技術力では劣っていても演奏から伝わるひたむきさを感じることができる。これから日フィルを1年聴くけど、そんなところが日フィルから感じ取れればよいなと思いました。逆にN響はさらに階段を上ってアジア人のオーケストラとして世界屈指のオーケストラになってほしいものだ、と感じました。

来月はどんな演奏に出会えるか、ますます楽しみです。

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